TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

本日休診

4日間の嵐

府医ニュース

2015年7月1日 第2753号

 今年5月のある月曜日の朝、起きた時から、左肩を動かすと少し痛みがありました。特に原因は思い当りません。
 診療をしていると、夕方にかけて更に痛みが増して来ました。左肩を動かすあらゆる動作に痛みが伴いました。痛くて左腕が90度より上に挙げられません。治るまで何日、いや何週間かかるのだろう、可動制限が残らないだろうか、などと考えました。
 火曜日、更に痛みは強くなりました。顔を洗うのも右手だけでせざるを得ません。最も困ったのは、服の着脱です。コート型の白衣に袖を通すことですら痛みました。
 NSAIDを服用して痛みを抑え、なるべく左腕を動かさないようにして診療することはできました。しかし、もし利き腕であったら、字が書けない、聴診器が持てない、で診療に差支えたと思います。私は内科医ですが、他科であったらどうだったでしょう。利き腕であったら、仕事だけでなく、日常生活全般が要支援状態になっていたかも知れません。
 痛い時は気分が落ち込み、もう一生治らないのかもと思ったりしましたが、薬をのんで痛みが軽減すると、可動制限が残らないように体操をしようとか前向きになれました。今更ですが、医療というのは有難いものだと感じました。また、痛みの緩和は精神面からも必要だと思いました。
 水曜日も同様に過ぎましたが、木曜日の朝、あれっ、何だか少し楽。薬が切れる頃になっても痛みは軽快してゆきました。
 金曜日、完全に回復。思わず、天に感謝しました。
 あの痛みはいったい何だったのか? いずれにしても、関節のエイジングが一因であることは確かでしょう。
 あの嵐のような4日間は、私に様々なことを教えてくれたと思います。(瞳)