地産保センターの実効性向上へ継続性のある事業運営を図る

府医ニュース 2012516 2640

 

過重労働やメンタルヘルス問題など、産業保健活動の重要性は年々高まっている。平成24年3月27日現在、日本医師会認定産業医は8万3701人に達しており、産業医の選任義務のある「常時労働者を50人以上雇用している事業場」への配置には十分な人数となっている。しかし、選任義務のある事業場の産業医選任率は22年で87.0%、特に50人以上100人未満の事業場では、80.9%に留まっている。

 

 一方、産業医の選任義務のない労働者50人未満の小規模事業場は、全国に570万6512カ所(全事業場の97.0%)、従業員数は3547万3715人(全労働者の60.7%)である。これらの事業場では、規模が小さくなるほど衛生推進者の選任や健康診断後の措置、メンタルヘルス対策の実施率が低くなっており、労働衛生管理体制が弱いと考えられる。産業保健活動を全般的に推進する上で、小規模事業場労働者への対策が喫緊の課題であることは言うまでもない。

 

 地域産業保健センター(地産保)事業は、産業医の選任義務のない小規模事業場における労働者の健康管理を主な目的に、5年度から国が労働基準監督署を単位として、管轄地域の医師会に委託し運営されてきた。その後、20年度から国は企画競争方式を採用して郡市区医師会以外の団体も応募可能とし、更に都道府県単位による応募に変更された。大阪府における地産保事業は、22年度は大阪府医師会が、23年度は労働者健康福祉機構が地産保事業を一括受託し大阪産業保健推進センター(推進センター)が運営を行った。24年度の地産保事業も、昨年度と同様の契約締結に向けて最終作業が行われている。

 

 地産保は、地域医師会による2年ごとの輪番制で運営されている所も多いが、コーディネーターとの連携が必ずしも十分ではなく、円滑な事業実施に戸惑う部分があった。その結果、地域医師会の関与が少なくなり、事業の方向性がやや不明確になっているなどの意見が示された。そこで、昨年度の府医産業医部会では、より適切で効率的な地産保事業の運営に向け、大阪労働局や推進センター、地産保の運営を担当する郡市区医師会役員に呼びかけて、「地域産業保健事業打ち合わせ会」を設け、運営状況や問題点などの検討を重ねてきた。その結果、府医は24年4月、地産保の担当医師会や担当者の選任は輪番制ではなく、事業運営に長期間携わることのできる医師会や適任者(郡市区医師会担当理事)が運営するよう求めた。

 

 地域の産業保健活性化は労働基準行政機関の責務であり、関係団体の調整の下、地産保事業に推進センターとメンタルヘルス対策支援センターが連携・統合的に運営される必要がある。今後も府医は、郡市区医師会と連携し、地産保事業を、より実効性・継続性のある事業に活性化するよう協力する所存である。