死の恐怖に直面したり、大規模な自然災害や戦争、犯罪などに巻き込まれたとき、人は心に大きな傷を受けます。身体の傷と同様、心の傷にも適切なケアが必要です。

◆PTSDとは
 PTSDとは、Post‐Traumatic Stress Disorderの略で、心的外傷後ストレス障害のこと。不慮の事故や災害など、死の恐怖を伴う体験が心の傷(トラウマ)となって、後にその記憶が様々なストレスとなり、長期間にわたって心や身体にさまざまな症状をもたらすことを言います。

◆震災や事件の後に起こる
 例えば、6,000人以上の死者を出した阪神・淡路大震災は、被災者の心に多大な精神的ダメージを与え、深い傷を残しました。中には眠れなくなった、物音や揺れに敏感になった、という被災前にはなかった反応がみられるようになった人もいます。また、JR福知山線脱線事故に巻き込まれた人で、その後、怖くて電車に乗れなくなった、という人もいます。

◆動悸や呼吸困難などが起こるケースも
 心の傷を負うと、日常生活の中で、外傷的な出来事や悲惨な体験の記憶が無意識に再現(フラッシュバック)されてしまうケースや、逆に心の動揺を抑えようとするあまり、被災体験を否定して無気力になってしまうケース、感覚が過敏になり、高いレベルでの緊張が持続するケースなどがあります。
 これらの心の動きは、自分自身ではコントロールすることができず、結果として、不眠や悪夢、うつ、怒り、恐怖、無気力などの症状が現れます。また食欲低下、動悸、呼吸困難などの身体症状をきたす場合もあります。

 心の傷を受けた場合の、症状の出かたや回復力には個人差が大きく、同じ体験をしたからといって、同じ症状が出るとは限りません。
 症状に気づいたら、早めに精神科や心療内科の専門医にかかるようにしましょう。

 

 

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