■摂食障害とは
思春期には、自分らしさが何か分からず、ついつい過激な行動を起こしがちです。現代の先進国では、ほとんど全ての若い女性が、一度はダイエットを試みます。そのうちの一部の人が、絶食(全く食べない)、過剰運動(毎日、数時間走る)、嘔吐など過激な行動に走ります。その結果、極端にやせます。その後、リバウンドし、過食と嘔吐を繰り返す人も、低体重のままも人もいます。
■拒食症と過食症の診断
概ね30歳以下の人に発症する。
拒食症は20%を越える体重減少が3ヶ月以上続く。
拒食症の人は、一見して異常とわかるほどやせているのに、本人は体重を戻すことを拒否する。
過食症もその根底には強い「肥満恐怖」があるため、食べた後に吐いたり、下剤を用いたりする一方、夜中に「隠れ食い」をすることもある。
拒食症と過食症を往き来する患者さんも多い。
■摂食障害による体調異常
やせのための症状と過食、嘔吐のための症状がある。
やせると、無月経、低体温、低血圧、便秘、手足のむくみ、脱毛、うぶ毛の密集、集中力の欠如、などがある。
過食、嘔吐ではえらの張り(唾液を出す腺が腫れるため)、う歯、脱水、低カリウム血症(嘔吐で体内のカリウムが失われるため)、口膣、食道、胃の損傷などが見られる。
命に関わることもあり、摂食障害の患者さんの数〜10数%の人が長期の経過の中でお亡くなりになります。
■治療には時間がかかります
摂食障害は多くの体の問題を示しますが、実は心の問題です。精神科を受診し、長い時間をかけて、徐々に癒していくことが必要です。
■家族の方は次の点に注意しましょう。
拒食の場合=回復をあせらない/食事を強制しない/監視しない
過食の場合=過食、嘔吐の異常な食行動を心配しすぎない/監視して強制的に止めない
身体的な症状に振り回されない:患者さん自身、実は「体がしんどい」と自覚していて、それが良くないことは十分に承知です。しかし、そのような行動を取らざるを得ない、こころの苦しみを理解することが重要です。
| 摂食障害の人は、自分は病気ではないと、精神科へ行くのを拒む場合が多く、受診にたどりつくだけでも、気の長い、取り組みが必要です。焦らず、患者さんの苦しい気持ちと向き合って、取り組んでいきましょう。 |
|