ペットを可愛がり過ぎるあまり、一緒に寝たり、口移しで食べ物を与えたりすることで、ペットの病気に人間がかかってしまうケースが増えています。動物から人間にうつる感染症を「人畜共通感染症」と言い、日本国内で発症するものは約50種類程度あります。健康な人の場合、感染してもほとんど発病することはありませんが、子供や高齢者、病中・病後の人など、体力が衰えて免疫力の低下している人は注意が必要です。

●日本で見られる主な「人畜共通感染症」
オウム病:小鳥がもつ微生物のクラミジアによって感染。肺炎に移行し、死にいたることも。オウム病とは言っても、インコからの感染がほとんどで、空気感染のため、病気の小鳥やその死体・鳥かごを放置して感染するケースが多い。
アメーバ赤痢:東南アジアやアフリカの国々から輸入されてくるミドリガメや猿から感染。感染すると、粘膜と血液の混じったイチゴゼリー状の粘膜便の下痢が生じる。肝臓や肺、脳などで増殖して膿瘍を起こすことも。
イヌ・ネコ回虫症:主な感染経路は、(1)犬や猫の回虫卵で汚染された砂が直接口から取り込まれる、(2)犬や猫の体毛に付着した回虫卵が体毛とともに散布され人の口に入る、(3)鶏の肉や牛の肝臓などを人が生で食べて感染する。感染すると視力障害や肝臓の腫れ、発熱を起こすことがある。
トキソプラズマ症:トキソプラズマが排出した寄生虫の卵のようなものが、猫の糞の中に混じって口から入ったり、羊や豚などの肉を十分に熱を加えないまま食べることで感染。妊娠中に感染すると、流産したり生まれてくる子供に障害がでることもある。
ネコひっかき病:猫に噛まれたりひっかかれたりした傷から感染。首やわきの下のリンパ節の腫れ、発熱、倦怠、さらには脳症や肝臓の腫瘍などを引き起こす。
狂犬病:日本では1956年以来、狂犬病の発症はないが、海外では注意が必要。発病した犬に噛まれると、唾液などを通じて20%以上の人が感染し、発症すればほぼ100%死亡する。

 感染症以外にも、犬や猫などの毛がアレルギー疾患の原因になる人もいますので、注意が必要です。

●ペットと一定の距離を保って
 感染症やアレルギーを防ぐには、人と動物は別の生き物だということを認識し、ペットとの間に一定のバリアを持つことが大切です。
一緒に寝たり、口移しで食べさせたり、顔をつけたりしない。
動物に触ったあとは必ず手を洗う。
ペットやその周辺(トイレ、小屋など)を清潔にする。
「人畜共通感染症」について正しい知識をもち、少しでも変だと思ったら、早めに受診する。

大昔から人間と動物は親愛な関係を保ってきましたが、まれに病気が感染する可能性があるという事をしっかりと認識して、ペットと上手につきあいましょう。

 

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